胞状奇胎の分類と診断と管理と治療

慣れないとわかりにくい胞状奇胎について

 

 

 

胞状奇胎の定義

胞状奇胎というのは

簡単にいうと →  「妊娠した!」と思ったら「胞状奇胎でした・・・」ということ

正確にいうと →    栄養膜細胞の増殖などにより、絨毛が水腫状になったものです

 

絨毛というのは下図のように胎盤で母体血と胎児血の物質交換をする場ですが

その絨毛というのは細胞性栄養膜細胞層と合胞体栄養膜細胞層が存在しています(この辺りが基礎の時覚えずらかった)

その栄養膜細胞は妊娠が成立するとhCGなどを分泌します

これが異常増殖し、水腫状になってしまうため、胞状奇胎ではhCGが爆上がりするのです

 

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胞状奇胎の分類

胞状奇胎にはその成因で2種類に分けることができます。

 

核のない卵子精子が間違って受精してできる「全胞状奇胎」と

正常な卵子精子が間違って2つ入り込んでできる「部分胞状奇胎」

に分類できます。

 

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全胞状奇胎と部分胞状奇胎とでhCGの上がり方とその後の管理が微妙に異なってきます

下図の表のように

全胞状奇胎ではhCGは爆上がりして、さらに絨毛癌へのリスクが伴います

部分胞状奇胎ではhCGが上がりますが、全胞状奇胎ほどではなく、さらに絨毛癌の発症も稀です

 

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侵入奇胎というのは、「胞状奇胎の成分が筋層に侵入した」ということです

これは、胞状奇胎の治療後の管理で重要になってきます

 

 胞状奇胎の診断

胞状奇胎は

「妊娠した!」と思ってきたら

「胞状奇胎でした・・・」となる疾患です

成因からしてもわかる通り、妊娠しようとしない限り胞状奇胎はできることはありません

 

自覚症状としては

妊娠初期より不正性器取穴や妊娠悪阻症状が出ること

他覚症状としては

妊娠週数に比べて子宮が大きくて柔らかいこと

 

それらの症状で来院します

 

検査としてはhCGを測定することと

超音波検査で vesicular pattern や 黄体嚢胞(ルテイン嚢胞)が出現します

 

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胞状奇胎の治療

治療はその奇胎を排除することです

しかし、胞状奇胎はその後絨毛癌の発症リスクを孕んでいます

なので、奇胎娩出後の管理が重要になります

 

 

胞状奇胎の管理

 絨毛癌のリスクを考えるため、hCGを測定し続けます。

 

24週までにカットオフ値以下になれば経過順調型(Ⅰ型)

24週までにカットオフ値にならなければ経過非順調型(Ⅱ型)

 

と診断されます(正確には5週目と8週目でhCGを測定するが、24週が一番大事)

 

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図のようにⅠ型なら定期検査となりますが、Ⅱ型ならその原因(hCGが下がらない理由)を探していく必要があります

 

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侵入奇胎と絨毛癌の違いは画像では判断しずらいため、絨毛癌スコアを用いてその鑑別をしていきます

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絨毛癌スコアは正直正確に覚える必要はないと思います

というのも、スコア的に絨毛癌になるためには5点必要で、絨毛癌っぽい(例えば正期産で数年の時を経てhCGの上昇をみた場合とか)項目を1つでも満たせば5点獲得するので、その時点で”臨床的絨毛癌”であると言えるため、スコアの概要を覚えるだけでいいともいます

絨毛癌スコアの内容を国試では聞かれないでしょう

産婦人科の試験前に覚える程度でいいともいます

 

後常識ですが、胸写とるのを忘れずに・・・

 

 

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