アルコール性肝障害でASTが優位に上昇する理由

アルコール(Sake)なのでAST上昇、と覚えてしまってもいいですが・・・。

 

 

アルコールの代謝をまず復習しましょう

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(びょうみえ)

アルコールは種々の酵素によりアセトアルデヒドに変換されたのち、無害な酢酸へと形を変え、最終的に水と二酸化炭素になります

この際、化学反応ですから酵素のみならず酸素も大量に消費されていきます

つまり、アルコールを大量に飲用している人の組織は健常人に比べて低酸素状態なのです

 

ここで肝小葉でのアルコールの動体を考えてみます

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グリソン鞘から中心静脈に向かってアルコールを含んだ血流が流れていきます

その際、アルコールを代謝するため酸素が取り込まれていき、中心域にたどり着くころには酸素はもう少なくなっています

ただでさえ低酸素状態なのに、より低酸素な血流しか流れ込みません

よってさらに低酸素状態に陥り、負のループを巡ります

したがって中心域では酸素が足りなくなり、崩壊していきます

中心域の肝細胞はASTをより多く含んでいます(この内容はASTとALTについて – 医師国試のための知識を参照)

 

以上のことから、アルコール性肝障害ではAST優位な状態になるのです

 

 

次回は非アルコール性脂肪肝でALTが優位になる機序をかきます

 

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