LEAPSとは

オプション概論

この記事では、オプションの1つであるLEAPSについて解説します。

LEAPSとは

LEAPS:Long-Term Equity Anticipation Securities
普通のオプションより満期が長いオプションのことを指します。
LEAPSは1990年にCBOEに初めて導入され、現在では広く普及しています。
通常は9ヶ月以上(1年以上という説あり)のものをいい、中には3年ぐらい満期が先のものもあります。

LEAPSは満期が長いオプションのことを指しますから、普通にCallやPutがあります。

ただ満期が長いだけか?

LEAPSは満期が長いことを除けば、通常のオプションと変わりはありません。
しかし、実務上は違った意味合いで使用されることが多いです。
それは原資産の代わりに、LEAPSのコールを買うということです。

LEAPSは「株式を買う代わりにLEAPSのコールを買う」という使われ方をするとされています。

LEAPSは、長期的な投資家にとって、1回の取引で特定の有価証券の長期的なトレンドを追うことができます。

LEAPSのコール

株式のLEAPSコールは、現金で株式を購入するよりも少ない資金で、原資産の上昇の際の利益を得ることができます。つまり、100 株を現金で購入するよりも、オプションのプレミアムの方が安いことが多く、低コストで株式を買うことができます。LEAPSコールは、短期コール・オプションと同様に、権利行使価格で対象株式を購入し、オプションを行使することができます。

LEAPSのプット

LEAPSのプットは、投資家が原資産となる株式を保有している場合に、長期的なヘッジとして役立ちます。プット・オプションは、原株の価格が下落すると価値が上がり、その株を所有することで発生する損失を相殺する可能性があります。つまり、プットは、資産価格の下落による影響を緩和することができるのです。

例えば、XYZ社の株式を考えてみます。XYZ社の長期保有を希望する投資家は、株価の下落に対して対応を考えなければなりません。この際、投資家は XYZ 社の LEAPS プットを購入し、株式のロング・ポジションの不利な動きをヘッジすることができます。LEAPSプットは、投資家が原資産の株式を空売りする必要なく、価格下落から利益を得る のに役立ちます。

LEAPSのメリット・デメリット

以下に主なものを挙げてみました。

メリット

LEAPSを利用して、長期的にポートフォリオ全体の変動に対するヘッジを行うことができます。

インデックスに投資したい投資家にとっては、LEAPSオプションが豊富に用意されているため、市場の急激な動きをヘッジすることができます。また、そうすることで、個別の株式ではなく、市場全体に対して弱気・強気のスタンスを取ることもできます。

LEAPSの価格は、原資産の動きに対してそれほど敏感ではありません(デルタの影響で)。原資産の価格が変動しても、契約の価格そのものが大きく動くとは限りません。

デメリット

LEAPSはオプションですので、プレミアムに時間的価値を支払わなければなりません。

LEAPSの価格はオプションの価格決定要素の関係で、市場のボラティリティや金利の変動の影響を受けます。

またbid(売値)-ask(買値)が離れているため、約定するのが難しい場合があります。

LEAPSの具体例

LEAPS コール買い
LEAPS プット売り
LEAPS ダイアゴナル・スプレッド
LEAPS ブル・スプレッド
LEAPS ベア・スプレッド

などが具体的な戦略として挙げられるでしょうか。簡単に説明します。

LEAPS コール買い

LEAPS コール買い戦略は上昇相場では非常に有力なツールです。
LEAPS コール買いの長所の一つは、必要な資金が少なくて済むことです。

以下のオプションチェーンをご覧下さい。

これは2022年3月26日時点の、KO 2024年1月19日満期のオプションチェーンになります。株価は61.61ドル前後です。1年10ヶ月後ぐらいのLEAPSになります。そのような遠い満期のオプションでも、しっかり値付けがされていることが見て取れます。やはり米国市場はオプションを利用するのに適した環境です。

権利行使価格が50ドルのコールを見てみます。

bid-askが開いているのがわかります。ここがデメリットの1つでしたね。

bid 13.45ドル
ask 14.05ドル

ここで中値の13.75ドルで権利行使価格50ドルのコールを買ったこととします。

オプションの値段は「本質的価値」+「時間的価値」でした。

本質的価値=株価–権利行使価格であるため本質的価値は11.61(=61.61-50)ドルです。

時間的価値=プレミアム–本質的価値であるため時間的価値は2.14(=13.75-11.61)ドルであり、コストであるといえます。

この50コールは、約1年10か月後の2024年1月19日に満期を迎えるため、その時にKOの株価が50ドル以上であれば本質的価値を持ち、50ドル未満であれば無価値となります。

この50コールのデルタは0.8です。デルタは原資産の値動きの感応度を指します。コールの性質上、コールをロングしておけば原資産の株価上昇に合わせてポジティブガンマの影響でデルタが1に近づきます。すなわち、株価が上昇すればするほど、より50コールの利益が増していきます。

逆に、原資産の株価が下がれば、コールの性質上デルタは0に近づいていくため50コールの損失は小さくなります。

つまり良い相場環境にはプラスの影響が出て、悪い相場環境では損失が少なくなるように動きます。ここがオプションの醍醐味の一つです。

満期が近付いた際、まだこれ以上原資産の株価が上昇すると考えればRoll outします。そうでないなら反対売買をします。LEAPSは株の取得を目的に使われることは少ないと想定できるので、ここでは割愛します。

LEAPS プット売り

更新中

LEAPS ダイアゴナル・スプレッド

こちらを参照。

LEAPS ブル・スプレッド

更新中

LEAPS ベア・スプレッド

更新中

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