Wilson病についての簡単な内容は以下参照。
wilson病に対する治療は
- 銅キレート剤(D-ペニシラミン、トリエンチン)
- 亜鉛製剤
に大別される。
亜鉛製剤について取り上げる。
亜鉛の作用機序は以下の如し
- 小腸粘膜におけるメタロチオネインの誘導 → 銅の吸収阻害
- 肝細胞内のメタロチオネインの誘導 → 肝庇護作用
メタロチオネインとは、金属キレート作用を持つタンパクのことで、特に銅との親和性が高いものである。亜鉛は小腸粘膜でメタロチオネインを誘導する。小腸粘膜でメタロチオネインと銅が結合し、腸管粘膜細胞内に銅を留めさせ、細胞の脱落と共に便中に銅が排泄される。
その結果銅の吸収を阻害する。
また、亜鉛は肝細胞内にもメタロチオネインを誘導する。そのおかげで肝細胞内に蓄積た銅とメタロチオネインが結合し、無毒化する。肝庇護作用を持つ。
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