以下の記事は2020年4月に投稿したものです。一部修正。
医学生や研修医のうちに確立しておくべき投資スタイルについて説明します。
私は医学部5年生までにアルバイト等で130万円くらいの種銭を作り、それを元にポリクリの合間で投資をして、1年間で60万円の利益(利益率46%)を得ました。
しかし、取引内容はほとんどギャンブル的な投資(オプションの売り)であったため、常に相場のことが気にかかり、外来見学中でさえもスマホを取り出して株価をチェックするようになってしまいました。
このように相場に生活を縛られるようなスタイルは長続きしませんし、そもそも本業のある我々としては到底受け入れられるやり方ではありません。
ここでは、FXなどのように一発逆転を狙うようなシロモノではなく、若くして高給取りになる我々医師がいかなる価値観を持って、投資・資産運用と向き合っていくかを解説していきたいと思います。
今回の記事は「お金を貯める」ということに重点を置いて書いていきます。
ここでは、現金100万を500万に、1000万に、という話ではなく、「堅実な倹約と確実な蓄財」、というテーマですので、見る人にとってはつまらないものとなることをご了承ください。
目的を持とう ー金を持って何をするのかー
お金を貯めるだけじゃなく、何事も目的を作って行動しないと一体何をしているのかわからなくなります。
ここでは(私の個人的な目標である)「将来的に収入の柱となるべき資産を形成するためにお金を貯める」という目標を元に説明していきます。
どういった理由でも構いませんが、なんのためにお金を貯めるのか、目的を考え、計画して行動しましょう。
勤倹蓄財 ー節約・節約・節約ー
資産を蓄えるということは、ひとえにその人の心構えに大きく依存します。
人生の向き合い方をイチから考え直さないと、月に100万円給料があったとしても全くお金は貯まることはなく、逆に手取り15万円でも億万長者になることは可能だと信じています。
資産形成の第一歩は、何はともあれお金を蓄えるところから始まります。
投資は生活資金が余っている人ができることです。巷では最低でも「毎月の生活費の半年〜2年分」は貯金しておくべきだという説もあります。
そのためには、いくら毎月お金を使っているのかを把握する必要があります。
したがって、家計簿をつける必要があるでしょう。。
最初はめんどくさくて、続かないことですが、これをやらない限り資産運用の道は開きませんので、腰を据えてやりましょう。常に自分の財務状況と向き合う必要があります。
「家計簿などつけなくてもいい」という意見もたまに見かけますが、いったどうやってそれで資産を管理しているのか不思議でなりません。
生活費がわかったら ー家計を整理ー
生活費がわかったら、とりあえず半年分(〜2年分)の生活費を貯めます。
半年分あれば、ある程度の不測のイベントに即金で対応できるはずです。
そして2ヶ月ほど家計簿をつけたら無駄な固定費を削減しましょう。使ってないサブスク・インターネット通信費、携帯代など・・・。
このあたりの節約法は他のブロガーやyoutuberも多く説明しているところなので、ここでは割愛させていただきます。
半年分の生活費が溜まったら、そこから次のステップ=投資に向かいます(ここから貯金と投資は同時進行していく)。
ここまでやりきれない人は投資に向いていないため、あえて頑張る必要もないと思います。
嫌味でもなんでもないですが、たとえ当人が刹那的に生きて、宵越しの金は持たない気概でいても、またそれはその人のあり方なので全く自由だと感じていますし、それもそれで良いと思います。
投資をしつつ、現金貯金は貯め続けましょう。
これは後述する下げ相場において買いに向かう余力を残すためです。
積立NISA ー優遇制度を使おうー
積立NISAをせずに株式を始めるのは、全く意味不明な無秩序な行動だと考えます。
国がせっかく用意してくれている税率0%枠を利用しない手はありません。
どのような銘柄に投資するべきかは次に示す次に記す王道資産がいいのではないでしょうか?
王道資産に投資する ー市場には勝てないー
この記事を読まれている方は、ある程度投資について勉強されていると思います。
「市場には勝てない」というのは定説のように語られており、素人の我々としてはそれを信じるしかありません。(『敗者のゲーム』『ウォール・ストリートのランダムウォーカー』参照)
したがって王道資産であるインデックスを買いましょう。
正直ETFでも投信でもどちらでもいいともいます。信託報酬には注意しましょう。
なんのインデックスに投資するのかは難しいところです。
投資の基本は分散でありますが、リスクを分散すればするほどリターンも分散されていくため、旨味はあまりありません。
とはいえ命の次に(あるいは同等に)大事なお金を使うわけですから、なるべく安全(であろう)資産に投資するべきです。
分散方法は次の3つに挙げられます
・国、地域の分散
・投資時期の分散
ここは高給取りである我々の強みを生かし、ある程度の分散は無視します。
今回は、国・地域の分散を無視して、セクターと投資時期の分散のみを取り入れましょう。
ではどの王道インデックスを対象とするのか。
我々は日本人である以上、日本に対してはすでに多くの資産を投資・所有しているはずです。
日本円も多く所持し、日本で職を持ち、日本に土地を持って暮らしています。
これ以上日本に対して長期投資する必要はあまり多くないかもしれません。
日本以外の国に投資しましょう。
長期的に上昇が見込まれる資産であれば良いでしょう。有名なものはS&P500などがあります。(2020年4月)
S&P500については多くの記事が存在しているため、そちらを参照してください。
買ったら忘れる ー我々は高給取りー
株式投資の鉄則「Buy & Hold」
前述したインデックス投資は感覚的には貯金です。
1日1日の値上がり、値下がりはまったく気にせず、本業に集中しましょう。
我々は高給取りです。多少の値下がりではビクともしないはずです。
本業の収入が高いということが、ここでいきてくるはずです。
基本は本業 ー投資はあくまで資産形成の補助ー
「専心その業に励むこと。これは社会的、経済的、また生活的な成功の要素なり」–本多静六『人生計画』–
ここまでの記事は一般の人にも当てはまる投資スタイルだと思います。
これからは若くして高給取りになる我々だからこそできる資産運用スタイルを解説していきたいと思います。
投資はあくまでも資産運用の1つにすぎません。
いわゆる「投資」=「お金を増やす力」です。
資産を形成するには他にも「お金を稼ぐ力」というのも重要になります。
基本的に我々は労働してお金を稼ぎます。
最初の段階では、投資の役割は「稼ぐ力」の補助にすぎません。
投資を始めたばかりの頃は、どうしてもそれに熱が入り、本業をないがしろにしてそれだけで食っていける!という風に思いがちです(私もそうでした)。
しかし本当に経済的独立を果たすためには、「お金がお金を産む要素」以外にも様々な「収入の柱」を作ることが重要だと考えます。
そうすると収入を分散させることができ、経済的な独立への歩みを進めることができます。
例えば医者としての能力を上げ、クリニックや施設を開業すれば、自分の時間を切り売りしなくても収入を上昇させることが可能です。
焦らず、とにかく自分の価値をあげる訓練をしましょう。
そして勤倹蓄財 ー生活レベルを上げないー
ここにきてまた基本に戻ります、勤倹貯蓄です。
こういうことを言うと
「なんのためにお金貯めてるの?使わなきゃ」
と言われることが多いですが、私は
「将来的に収入の柱となるべき資産を形成するためにお金を貯める」
という目的がありますので、それが達成されるまでは無駄にお金を使いません。
もちろん長期休暇には旅行に行って観光名所を周り、美味しいものを食べ、綺麗なホテルに泊まりたいですし、実際そうします。また知人にプレゼントなども購入します。
しかしいつだって基本は勤倹貯蓄。当初の目的を見失わず、生活レベルを維持したままお金を貯め続けることが重要です(本多静六は「勤倹貯蓄が人生の基礎」ともおっしゃってます)。
お金を貯め続けることにより、下げ相場において買い増しをすることが可能です。
個別株なら最悪そのまま企業が消失してしまうことがありますが、インデックス投資ならそのリスクは個別株に比べ低いといえます。
この下げ相場での買い増しこそが、将来の果実をより大きく実らせることになるのです。
わからなくなったら当初の目的を思い出しましょう。
そうすれば自分の歩むべき道がわかると思います。
そのためにも最初の目標設定は非常に大事だと考えます。
まとめ ー持つべき投資スタイルは?ー
・高給取りになれるということから、まず本業を優先すること(学生は決して怠けない・留年しない。研修医は医師としての能力をあげる)
・ どれだけ稼いでも、どれだけ貯金ができても、生活レベルを上げず、倹約に努めて貯蓄に励むこと(勤倹貯蓄)
・積立NISAでインデックス投資から始めること
・投資を「儲けの手っ取り早い手段」と思わず、貯金と同等のものと考えること
・下げ相場を待つこと。それまでお金を蓄え続けること。
以上のように現時点(2020年4月)では考えます。
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