悪性高熱症のまとめ

悪性高熱症は悪性高熱症にかかりやすい人がなる病気

 

 

 

概念

悪性高熱症(MH;malignant hyperhermia)の病因は、骨格筋の筋小胞体のリアノジン受容体や電位依存性Caチャネルの変異によるカルシウム代謝異常で、揮発性吸入麻酔薬脱分極性筋弛緩薬によって誘発される麻酔合併症の一つ。

 

完全静脈麻酔(TIVA)の普及により、年々症例数は減ってはきているが、死亡率は10〜15%を推移している。

 

 

病態

本態は骨格筋の異常な代謝亢進といえる。

揮発性吸入麻酔薬により、筋小胞体からのCaによるCa放出機構(いわゆるCa-induced Ca release)を促進させる。

細胞内Ca濃度が異常に上昇して、筋収縮が激しく起こる ➡︎ 代謝亢進

筋収縮にはATPも利用され、さらに代謝亢進によりグリコーゲンの分解も促進される。

ATPはADPに変換され、ADPは解糖系とミトコンドリアでのピルビン酸の酸化も促進させる。

これによりO2とATPとグリコーゲンが枯渇し、CO2と乳酸と熱が産生される。

これが進行すると、筋細胞が崩壊して、カリウムCKミオグロビンが血中へ放出される。

 

 

 

 

症状

初期:咬筋強直、ETCO2の上昇不整脈(原因不明)

中期:アシドーシスチアノーゼ、体温上昇、SpO2低下

後期:筋強直、出血傾向、コーラ様

 

 

診断

国試レベルでは

「吸入麻酔薬と脱分極性筋弛緩薬」

の文字列で診断基準満たした

みたいなとこありますけど正確には以下の図を参照してください。

 

f:id:misoramenn:20190924234431j:plain

 

 

治療

国試的にはダントロレン・・・。

 

ちゃんというと

1.誘発薬剤の中止

2.純酸素で過換気(骨格筋への酸素投与と増大したCO2の排泄)

3.ダントロレン投与

4.対症療法(冷却、輸液、アシドーシスの補正、高カリウム血症の補正、抗不整脈薬の投与)f

 

 

 

 

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