D-ダイマー
大動脈解離ではD-ダイマーが上昇する。解離により血管の炎症、凝固線溶系の活性化が起こることによりD-ダイマーが上昇することが知られている。
カットオフ値により感度・特異度が変わる。
・1 μg/ml 感度97% 特異度59%
・0.5 μg/ml 感度96.6% 特異度46.6%
ただし偽腔閉鎖型や若年者の場合はD-ダイマーが上昇が見られない場合がある。
それにD-ダイマーが1 μg/ml 以上でも3%は解離である。
Aortic Dissection Detection Risk Score (ADD-RS)
既往、家族歴 |
疼痛の性状 |
所見 |
マルファン症候群 |
突然発症 |
脈拍の欠損 |
大動脈解離の家族歴 |
重度の疼痛 |
左右の収縮期血圧差 |
既知の大動脈弁疾患 |
裂けるような痛み |
神経局所症状+疼痛 |
最近の大動脈に対する処置歴 |
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新規大動脈弁による雑音+疼痛 |
既知の胸部大動脈瘤 |
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低血圧 |
3つのカテゴリーで評価する。
低リスク:全てを満たさない場合
中リスク:1つを満たす
高リスク:2つ以上を満たす
しかしあまり良い除外判定とならない。低リスクでも4.3-5.9%が大動脈解離症例だったという報告あり。
Eur Heart J Acute Cardiovasc Care. 2014 Dec;3(4):373-81.Circulation. 2011;123:2213-2218.
DーダイマーとADD-RSの組み合わせ
D―ダイマー 0.5 μg/mlをカットオフとして
・ADD-RS=0かつD-ダイマー陰性→ 感度99.7~100%
・ADD-RS≦1かつD-ダイマー陰性→ 感度98.8
これなら除外に使えるのでは。
Circulation. 2018;137:250-258.
International Journal of Cardiology 175 (2014) 78–82
参考:日本循環器学会 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン 2020年版 p.28
内科診療フローチャート第2版 大動脈解離の項
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