Zollinger Ellison症候群で水様性の便になる理由

Zollinger-Ellison症候群は

  • 難治性消化性潰瘍
  • 胃酸分泌亢進
  • 膵ラ島非β細胞腫瘍

を3徴とする、ガストリノーマです

 

ガストリノーマなので、ガストリンが産生し、壁細胞に働きかけて胃酸が過剰に分泌します

その結果、胃や十二指腸に多発性の潰瘍をきたしてしまう病気です

 

では水様性の便になる理由ですが

大量に分泌された胃酸が十二指腸まで流れ込みます

本来十二指腸では膵臓の消化ホルモン(リパーゼなど)が分泌され、脂肪の消化吸収に働きますが、それらが適切に働くためには至適pHというものがあり、胃酸が大量に流れ込むことでリパーゼがうまく活性化されません

したがって、リパーゼにより脂肪が消化されず、そのまま便として排泄されるため脂肪便となります

腸管内に脂肪便がたまると、浸透圧が上昇し、腸管内に水分が引き込まれるため、水様性の便となるのです

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