感染症が原因だから滲出性じゃないのかーー？！
いいえ、漏出性です
特発性細菌性腹膜炎（SBP）は肝硬変患者に起こりやすい腹膜炎です
肝硬変患者は、低アルブミン血症であるため浮腫・腹水を呈する場合が多いです
低アルブミン血症であると、腸管浮腫が生じ、粘膜防御機能が低下するため、容易に腸内細菌が粘膜を通り抜け、腹腔へと進展します
そのため、腹水中で細菌が繁殖し、腹膜炎を生じます
この場合の腹水は、肝硬変で発生した腹水であり、それはうっ血性のものとなるから、漏出性である
したがって、細菌感染症が生じているにも関わらず、漏出性の腹水となる
しかし実際には腹水の性状だけでは診断に至るケースは少ないらしく、また二次性に炎症（消化管穿孔や虫垂炎など）を起こして、滲出性の腹水になっている場合も多いため、必ずしも漏出性となるかはその時々となる気がする
【参考】
Utility of an algorithm in differentiating spontaneous from secondary bacterial peritonitis.
Ascitic fluid carcinoembryonic antigen and alkaline phosphatase levels for the differentiation of primary from secondary bacterial peritonitis with intestinal perforation.
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